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KEISEN-CHO — 日本株ノート

化学

信越化学工業(4063)
半導体材料は絶好調、足を引っ張ったのは塩化ビニル

2026年8月13日更新

シリコンウエハーで世界トップクラスのシェアを持つ信越化学工業。2026年3月期は2年ぶりの営業減益となったが、その要因は半導体事業ではなく、もう一つの主力である塩化ビニル樹脂の市況低迷にあった。

2026年3月期は2年ぶりの営業減益、要因は塩ビ市況

2026年3月期の連結決算は、売上高が前期比0.5%増の2兆5,739億円と過去2番目の水準を維持したものの、営業利益は6,352億円(前期比14%減)、経常利益は7,082億円(同13.7%減)と、2024年3月期以来2年ぶりの営業減益となった。要因は、塩化ビニル樹脂を扱う「生活環境基盤材料」事業の市況低迷だ。中国製品の流入により需給が緩み、海外での価格低迷が収益を圧迫した。一方、半導体関連の「電子材料」事業は売上高1兆157億円、営業利益3,445億円と、AI関連需要を背景に前年から改善している。

売上高2兆5,739億円(前期比+0.5%)
営業利益6,352億円(前期比▲14%・2年ぶり減益)
電子材料事業営業利益3,445億円(前年から改善)
今期純利益予想5,250億円(前期比+10.7%)

AI関連需要がシリコンウエハーを底上げ

半導体の基盤となるシリコンウエハーでは、AI関連向けの販売比率が全体の2割を超える水準まで拡大している。会社側は、中東情勢を契機とした先高観からユーザーが在庫を積み増す動きに転じているとし、半導体デバイスメーカーの増設計画を見据えた前倒しの引き合いも見込まれるとしている。フォトレジストやマスクブランクスといった他の半導体材料も含め、電子材料事業全体を伸ばす方針を示している。

直近四半期は増収増益で通期予想を上回るペース

2026年7月に発表された2026年度第1四半期(4〜6月期)決算は、売上高6,624億円(前年同期比5.4%増)、営業利益1,738億円(同4.2%増)、純利益1,308億円(同3.5%増)と増収増益を確保した。通期予想に対する進捗率は営業利益で24.8%と、過去6年平均の24.7%をわずかに上回るペースだ。2027年3月期通期の純利益予想は5,250億円(前期比10.7%増)としており、前期の減益から増益基調への回復を見込んでいる。

まとめ

塩化ビニル市況という景気敏感な事業を抱えつつも、AI半導体需要を追い風にした電子材料事業が下支えする、二つの顔を持つ企業といえる。今後は塩ビ市況の底打ちタイミングと、AI向けウエハー需要の拡大ペースが、業績の振れ幅を左右しそうだ。

※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。