三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
メガバンク初の純利益2兆円超、その3割はモルガン・スタンレー
2026年3月期、三菱UFJフィナンシャル・グループは日本のメガバンクとして初めて年間純利益2兆円台に到達した。だがその内訳を見ると、利益の約3割は米モルガン・スタンレーからの持分法利益が占めている。国内最大の銀行グループの実像を数字から読み解く。
純利益2兆4,272億円、前期比30.3%増
2026年3月期の連結決算は、親会社株主に帰属する当期純利益が2兆4,272億円となり、前期の1兆8,629億円から30.3%増加した。経常収益は14兆6,208億円(前期比7.3%増)、経常利益は3兆4,101億円(同27.7%増)。円金利の上昇に伴う利ざやの改善や、国内外の手数料収入の増加、海外での買収案件の収益貢献などが増益要因となった。
利益の約3割はモルガン・スタンレー由来
あまり知られていないが、MUFGの連結純利益のうち大きな割合を、資本提携するモルガン・スタンレーの持分法利益が占めている。2026年3月期はモルガン・スタンレー関連だけで6,764億円、連結純利益の3割近くに相当する規模だ。この出資はリーマン・ショック直後の2008年に実行されたものだが、今のMUFGの利益構造の中で無視できない存在になっている。銀行単体(三菱UFJ銀行)の純利益は1兆1,352億円で、依然として最大の収益源ではあるものの、海外戦略の成果が業績の押し上げに大きく寄与している構図がうかがえる。
2027年3月期は純利益2兆7,000億円が目標
会社側は2027年3月期の目標として、純利益2兆7,000億円、ROE(自己資本利益率)12%程度を掲げている。中期経営計画では「成長を取りにいく3年間」と位置づけ、成長戦略の進化や企業変革の加速をテーマに掲げており、来期の年間配当予想は96円としている。直近の2026年4〜6月期でも、三菱UFJを含む大手5行がそろって四半期として過去最高の純利益を記録しており、利ざや改善とM&A関連の手数料収入拡大という流れは続いている。
まとめ
国内最大のメガバンクとして、金利のある世界への移行を追い風にしつつ、モルガン・スタンレーをはじめとする海外事業の収益貢献が、他のメガバンクとの利益差を生む要因になっている。今後は国内の利ざや動向に加え、海外事業の持分利益がどう推移するかが注目点になりそうだ。
※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。