三菱商事(8058)
減益の正体は「反動」、今期はエネルギー主導でV字回復狙う
三菱商事は2026年3月期に純利益が前期比15.8%減となったが、これは前期の一時的な利益がはがれ落ちた反動によるところが大きい。今期はエネルギー事業を中心に大幅増益(V字回復)を計画している。総合商社大手の実像を確認する。
減益の主因は前期の「一時益の反動」
2026年3月期の連結決算は、収益(取扱高を含む商社特有の売上概念)が前期比1.6%増の18兆9,159億円となった一方、親会社株主に帰属する当期純利益は同15.8%減の8,004億円だった。ただしこれは、市場予想を約1,000億円上回る上振れ着地でもある。減益の主因は、前期に計上した「ローソンの持分法適用会社化に伴う再評価益」や「豪州原料炭事業の売却益」といった一時的な利益がなくなったことで、実態面では電力・インフラ事業が着実に成長している。
今期はエネルギー事業主導でV字回復を計画
2026年度(2027年3月期)の業績予想は、純利益1兆1,000億円(前期比37.4%増)と、大幅な増益(V字回復)を見込んでいる。柱となるのがエネルギー&パワーソリューション部門で、前年度比1,530億円増益の3,630億円を計画。米国シェールガス事業の新規連結や、LNG関連事業の生産増加・市況上昇が主な要因だ。投資規模約8,000億円の米国ヘインズビル・シェールガス事業は、2027年度に500〜600億円規模の利益貢献を見込んでいる。会社は2027年度に連結純利益1.2兆円以上を目指す中期計画も掲げている。
資源から非資源へ、事業ポートフォリオの分散も進む
エネルギー・資源分野が成長ドライバーとなる一方、非資源分野も安定収益の役割を担っている。サーモン養殖事業や三菱食品の完全子会社化、インドネシアでの自動車事業など、地道な多角化が進む。ローソン単体では前期に再評価益の反動で減益となったが、事業自体は三菱食品とともに最高益を更新しており、収益基盤はむしろ強化されているとみられる。
まとめ
前期の減益は一時的な要因が中心で、事業の実力そのものは底堅い。今期はエネルギー価格や為替の動向、米国シェールガス事業の立ち上がり具合が、V字回復シナリオの実現度合いを左右しそうだ。
※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。