三菱重工業(7011)
ガスタービンと防衛需要で受注高・純利益とも過去最高
総合重機メーカー最大手の三菱重工業は、2026年3月期に受注高・事業利益・純利益・フリーキャッシュフローのすべてで過去最高を更新した。防衛費拡大とガスタービン需要という2つの追い風を受けての結果だ。
受注高7兆6,536億円、純利益は35%増で過去最高
2026年3月期の連結決算は、売上収益が前期比14.1%増の4兆9,742億円、事業利益が同21.8%増の4,322億円、純利益が同35.3%増の3,321億円と、市場予想を上回る好決算だった。受注高は同19.5%増の7兆6,536億円に達し、大型ガスタービン複合発電(GTCC)を35台受注するなど、受注残高は5兆円を超えた。フリーキャッシュフローも8,934億円と、GTCC向け前受金の入金が先行し大幅なプラスとなっている。豪州向け次期フリゲート艦事業も業績に寄与した。
ロジスネクスト売却でコア事業に集中
2025年9月に発表した三菱ロジスネクスト(現・ロジスネクスト)株式の売却が、2026年5月1日に完了した。これにより物流機器事業が連結から外れ、エナジー・防衛・航空宇宙といった収益性の高いコア事業への集中が進んでいる。あわせて2026年4月1日付で組織再編を実施し、従来の4セグメント体制から「エナジー」「プラント・インフラ」「インダストリアル・ソリューション」「航空・防衛・宇宙」の4セグメントに再編した。
直近四半期は純利益ほぼ倍増、通期予想は据え置き
2026年8月に発表された2027年3月期第1四半期(4〜6月期)決算では、売上収益が前年同期比15.5%増の1兆1,942億円、事業利益が同65.1%増の1,596億円、純利益が同97.4%増の1,346億円と、大幅な増収増益で好スタートを切った。ガスタービンや防衛事業が牽引し、受注高も前年同期比26%増の2兆224億円と伸びている。通期の業績予想(売上収益5兆4,000億円、事業利益5,400億円)は据え置かれたが、受注高の見通しは6兆8,000億円から7兆円に上方修正された。なお会社の通期見通しには中東情勢の影響は含まれていない。
まとめ
防衛費の拡大や電力需要の増加を背景にしたガスタービン投資という、構造的な追い風を受けている企業といえる。今後は受注残高の消化ペースと、中東情勢が実際の業績にどう影響するかが、株価材料として意識されそうだ。
※本記事は公表されている決算情報をもとに構成した情報提供を目的とするものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。